第5章 二人でアオハル
二泊三日の京都旅ーー…。
悟さんから何も説明がないまま、私は東京駅に来ていた。
引率。と、言われても、教員免許も何もないし、呪術もわかんないし、生徒たちの顔も名前も知らない。
「…大切な生徒たちをお預かりするのにこんな無責任なことして親御様になんと言っていいか。」
ブルブルと震えながら荷物を持ち直すと、後ろで笑い声が聞こえてきた。
「固いよ、。」
「傑さん。よかった、傑さんも行くんだ。」
「もちろん。悟のサポートとを守らないとね。悟はそんなことも言ってなかったのか?」
「なーにも聞いてません。」
前を歩く悟さんを私は後ろから睨みつけた。
「が悟を説得したんだろ?」
「説得?」
「最初、あいつは京都に行かないって言ってたからな。」
「うん…。だって、悟さんめちゃくちゃ楽しみにしてる感じしたから。」
「さっすが恋人。」
「…。」
あのウキウキ具合は恋人じゃなくてもわかりそうな気がするけどなーって思っていたら、悟さんがこちらを振り向いた。
東京駅の人通りの多いところだが、白い髪はとっても目立つ。
「何、ドキドキしてるの。」
「悟さんのこと話してたの。」
「あ、そう。」
満足気ににっこりすると、悟さんは集合場所の改札口に向かって再び歩き出した。
「まだ私がにちょっかい出すと思って警戒してるんだよ。」
と、傑さんは笑いながら私に耳打ちをしたので、私も釣られて笑ってしまった。
あの時キスマークをつけたりしていたのは、悟さんを焦らすためだった。あの時から悟さんが私に気があることに気付いていたんだと、傑さんから聞いた時はなんだが複雑な気持ちになったが、もう気にしない事にした。
「、あの3人だ。」
傑さんに言われ、私は改札口の方に目をやった。
一人だけピンクの髪の毛が目立つ、黒い制服をきた3人がそこにいた。