第5章 二人でアオハル
先生が生徒のために、何が思い出になるか考えたり、手書きのしおりをつくったり…。
生徒さんだって絶対先生と行きたいに決まってる。
「青春させてあげたいって言ってたよね?」
「そうだね。生徒たちも任務に行くことあるし、学校生活は大切だよ。」
色鉛筆で文字に色を塗りながら、なんだか嬉しそうに話すと悟さんを横でじっと見つめた。
「じゃあ、やっぱり悟さんも行った方がいいよ。私、傑さんとここにいるから。」
「えー?」
「私が弱すぎる?殺されるのが心配だから、一緒にいるの?」
「……。」
悟さんは手を止め私に視線を向けた。
サングラスの隙間からみえる、青い目は真剣だった。
「授業のこととか私は見たことないから、“五条先生”と生徒さんたちの関係性はわからないけど、ここまでしてくれる先生は私は始めた会ったよ?素敵な関係だと思う。」
「……。」
「生徒さんと宿泊研修行った方がいいよ。」
「うーん。」
「その方がきっと生徒さんのためにもなると思うな。」
「あいつらの…ためか。」
顎に手をやり、うむ。と考え始めた悟さん。
「私は誰かに誘拐されないよう、傑さんから離れないようにすらから。…ね?」
「いや。」
色鉛筆を置き、悟さんは勢いよく立ち上がり、私の手を握った。
「も行こう。」
「…へ?」
「そうだ!京都に行こう!」
どっかのキャッチフレーズよろしく、悟さんは言った。
「も引率ね。」
「え、えっ?」
「じゃあ、高専にそうするよう、傑にも連絡しとくよ。はそれに色塗っておいてねー。」
早口で捲し立てると、バタバタと悟さんは部屋の扉を開けた。
そして、出ていく瞬間再びこちらに視線を向けた。
「ちなみに明後日出発だから。」
「えぇっ!?」