第3章 二人は一つ
チクリと軽い痛みが走る。
「ご…じょうさっ…ん…」
傑さんの時より強くて長い。
「よし、ついたついた。あれ?悟じゃなかったの?」
指先で鎖骨を撫でながら、嬉しそうににんまりと笑う五条さん。
「悟さんって呼んでいいの…?」
「なら構わないよ。」
「普段みんなからなんて呼ばれることがおおいの?」
「んー?」
私の腰に手を回し、少し考えたあと、
「悟って呼ぶのは、傑だけかな。あとは苗字か、先生が多いな。」
あ、そうだ。
悟さんは先生なんだ。
私は思い出してくすくすと笑った。
「なーに笑ってるの。先生っぽくないって?」
「ううん、逆。最初はそう思ってたけど、今はきっと楽しみながらそれでも生徒第一に考えてるんだろうなって思ってる。」
「生徒とふざけて校長先生怒らせてそう。」
そう言ってくすくす笑うと、腰の手に力が入った。
胸の鼓動も少し早い気がした。
「…ずるいねぇ。」
「え?ていうか、今!ドキッとしたでしょ!」
「といると、呪術師であること忘れそう。」
よいしょと、私を抱き上げると悟さんは私をベッドの方に行き始めた。
「ねぇ!ドキッとしたらおしまいって!」
「してない。」
私をベッドに下ろすと、そのまま悟さんは私の上に覆い被さってきた。
「はすごいドキドキしてるね。心臓がうるさくて仕方ない。」
下から見上げる、白い髪と青い瞳は私には刺激が強すぎる。
「あ……の…?」
「ん?」
「私の負け…だから……もう、おしまいじゃないの?」
ドキドキした方が負けって…。
「うん、の負け。」
ーー…だから。
「大人しく抱かれてね?」