第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
「開けていい?」
「うん。」
五条は手のひらにのるくらいの大きさの箱を開けた。
「ーー…これ。」
「わかる?」
「もちろん。あの石だ。」
シルバーのチェーンをゆっくりと持ち上げた。
「よかった、わかってくれて。私が悟さんと初めて出会ったきっかけのアクセサリー。あの白い石を加工してブレスレットにしたの。」
五条は手のひらに白い石を乗せ見つめた。
「綺麗だ。」
「指輪よりブレスレットかなって。指輪は戦いに邪魔だと思って。」
「うん。これなら邪魔にならないし、いい感じ。」
五条はチェーンを外し手首につけようとした。
「私がつけてもいい?」
「ありがとう。」
はブレスレットを受け取ると、五条の手首にゆっくりと巻いた。
「この石が私と悟さんの出会いのきっかけになったから…」
かちゃっとつけるとは五条の手首に唇をそっと当てた。
五条は嬉しそうに微笑み、の頬を撫でると床にあるもう一つの箱に視線を向けた。
「じゃあ、もしかしてそっちの箱はもうひとつの石?ついになってる。」
「うん。自分用に。お揃いにしちゃった。」
照れたように箱を持ち上げると、五条がその箱をの手から取り上げた。
「僕がにつけたい。」
「……あ、でもそっちは。」
五条が箱を開けると中身は指輪だった。
真ん中に白い石がある。
「指輪じゃん。」
「なんか…恥ずかしくって。」
「つけていい?」
「お、お願いします。」
は右手を五条に差し出したが、五条はペシっのその手をはたくと、の左手を持ち上げた。
「出し惜しみしない。ほら、ちゃんと見て。」
「だ…だって!早く…ない?」
「早かれ遅かれここには僕しか贈らないんだから。」
そう言って、五条はの左手の薬指に指をゆっくり差し込んだ。