第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
「やっぱり二人が一緒にいる方がいいな。」
夏油は二人で並んでいると五条をみて微笑んだ。
「傑さん心配かけてごめんね。たくさんありがとう。」
「傑もいい人見つけろよ。」
「ほっといてくれ。」
にかっと笑って五条はの肩を抱き寄せた。
「ま、私はこの先も高専には所属せず、フリーとして悟を外から支えるくらいでいいよ。」
「傑がいないと僕生きてけないっ。」
「はいはい。それじゃ、私はいくよ。あ、それからの家に一人呪霊を張らせてる。が家に着いたら戻るようにしてあるから。」
「うん。ありがとう。」
悟さんと同じような黒い服のポケットに手を入れ去っていく夏油に、は大きく手を振った。
「じゃあ、私もこのまま阿曽に帰るね?」
「むーー。」
不服そうなに唸る五条。
「掃除や片付けがあるから。悟さんはまたすぐ阿曽においで?」
「はーーー…い」
心底嫌そうに返事をする五条に、はくすくすと笑った。
「あ。そうだ。記憶が戻ったから思い出したんだけど、プレゼントあるの。」
「えっ?なになに?」
「ずっと引き出しにしまってたもの。記憶を失う前に用意してたんだけど、渡しそびれたの。」
「じゃあ、ずっと前じゃん。」
は笑って頷いた。
「きっとびっくりするよ?学長さんとのお話終わって時間あったら来て?」
「すぐ行く。」
は高専の庭に出るとハクを呼び出した。
「ハク。貴方もありがとうね。」
の周りを戯れるように身体を擦り付け、鼻先をの膝に当てた。
「それじゃあ、また後で。」
は五条に手を振り、高専を後にした。