第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
【エピローグ】
次の日ものんびり部屋で過ごした二人は、昼過ぎには高専に向かっていた。
五条が次の任務で夜蛾学長に呼ばれたからだ。
「休みの日なら任務の話も無しにしてほしいよねー。」
「まぁまぁ。私も今日には阿曽に帰るし。」
「えっ!?帰るのー!?」
高専の廊下を歩いて会議室に向かう。
二人でこうやって話しながら歩くのは久しぶりだ。
「うん。ハクたちのこと…気になるから。」
の危機を必死に五条へと伝えようとしたハクと小さな呪霊たち。
怪我とかはしていないだろうが、あの時のまま置いてきたことをは気にしていた。
「えー、さみしー。」
「空いた時いつでもおいで。」
「なんだ。もう記憶が戻ったのバレたのか。」
後ろから声がして二人は振り返った。
「やっぱりお前が何か言ったんだな。傑っ。」
「まぁね。」
五条はつかつかと夏油前に立ち、びしっと指を刺した。
「に記憶戻ったこと黙るように言ったな?なんで!」
夏油は五条に詰め寄られようと、余裕の表情で微笑むだけだ。
「悟のことだから、また言葉より先に手が出るだろう?」
「…ぐ。」
確かにあのままの記憶が戻ったと聞かされたら、嬉しさのあまりを抱きしめきっと熱い夜をすぐに過ごしていたはずだ。
昨日がまだ、記憶があるかないのかわからない状態だったからこそ、五条はに自分の気持ちを伝えたのだ。
「べっつに、そんなことしなくても伝わるって。」
「私は嬉しかったよ?悟さんの口から聞けて…。でも、黙ってたのはごめんね?」
「……」
五条は夏油の前だからか、何も言わずの髪の毛をくしゃっと乱すように撫でた。