第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
は家に着き、綱手川から逃げる時に土足で歩いた廊下や縁側を綺麗に掃除し終えると、先程五条に話していたプレゼントを探していた。
「あっれー?確かにここの1番上の引き出しにしまったはずなのに…」
和風の木製の棚の小さな引き出し。
その一番上に、海外から帰ってきた五条に渡そうと、しまっていたが、その後記憶を無くしてしまったのだ。
確かにそうだったはずなのに。
は、違う引き出しも探し始めた。
記憶を無くしてる間に、知らないものだからと捨てたとしても、それは別に記憶から消えるわけではない。そんなことをした覚えもないは、色々な棚という棚を開けて探した。
「っ。」
「あ。悟さん、もう来たの?」
「あれ、ダメだった?」
「あーごめん。そういう意味じゃないの。どうぞ、縁側座ってて。すぐお茶出すね。」
「はーい。」
庭に降り立った五条は、の意外な言葉に疑問抱きつつ縁側に座った。
「冷たいのでいい?」
「うん。」
氷の入った麦茶が縁側に置かれた。
「で、どうしたの?バタバタしてたけど。」
「それがね…。」
は渡すはずだったプレゼントが引き出しから無くなってることを正直に話した。
「どろぼうってことはないよね?他のものは?」
「特に他のものがなくなってる感じはないの。」
五条は目隠しを取り、家の中を見渡した。
「別に呪霊が何かしたような感じはないけど…の家の呪霊はの寝室に集まってるね。」
「…そうなの?」
あの負の感情だけを浄化された、ただの家にいるだけの呪霊たち。
何をするでもなく、居心地がいいの近くでふわふわ存在してるだけ。
「ん?こっち来てるよ。」