第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
あと数センチってところで、は五条の鼻にキスをして、イタズラっぽく笑った。
「悟さん。桃鉄した時のことも全部思い出したの。」
「うん。が卑怯な手をつかったやつね?」
「全然違う。」
やったことはないが、配信や動画をみてマップとかを覚えていたは、圧倒的なリードで五条に勝ったのだ。
「その時に、勝った人がひとつなんでも命令できるってやったけど、まだ使ってないの。」
「あー…」
五条は、口を尖らせた。
「使ったでしょ。そんな昔の無効無効。」
「まだ数ヶ月まえだよ。」
「なに。じゃあ今から僕に命令でもするの?」
「うん。いい?ゲームに勝ったから。」
「そこだけ記憶戻らなかったらよかったのに。」
「なんてこと言うんだ。」
に覆い被さったまま、五条はため息をついた。
まさかこんな状態でお預けをくらうとは。
「もしまた私が記憶を失ったとしても、同じように私を好きでいて。きっとまたもう一度あなたを好きになるから。きっと思い出すから。これが私のお願いでゲームに負けた悟さんの罰ゲーム。」
少し目に涙を溜め、は五条の首に手を回した。
「…。」
「なにがあっても何度だってきっと好きになる。これから先ずっとあなたに恋をする。」
「あのあと、を抱いてる時、僕もに命令できる権利もらったの覚えてる?」
「うっ、頭が……」
「おい。」
五条はふざけるの鼻をつまんだ。
「僕からの命令は簡単。」
にやっと笑う五条には何かすごいことを言われるのではと、身構えた。
「忘れないで。ただ、それだけ。」
そう言って、五条はの唇にそっと口付けを落とした。