第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
五条はを腕の中に閉じ込め、ゆっくりそのままベッドに向かおうとすると、がもぞもぞと動き出した。
「あの…シャワー……だめ?」
「ダメ。」
1秒でも惜しい五条はキッパリとそう言った。
「硝子のことろでシャワー浴びたんでしょ?」
「それはそうだけど…あれからちょっと時間空いたし…」
もごもご言うに、五条は無視してをベッドに押し倒した。
「やだ。早くに触れたい。」
「…っ。」
「がいない間、どれだけを想像して一人でやってきたかわかる?」
「…ひと…っ!」
顔を真っ赤にして、は上に跨ってきた五条を見上げた。
の足の上にのそっと座り、のシャツに手を伸ばした。
「…」
「…っ…ん…」
硝子から借りている白いロンTの中に五条はゆっくりとお腹へ手を差し入れた。
「大丈夫?怖くない?」
綱手川に襲われたことを気にしてる五条は、に優しく尋ね、は首を振った。
「平気。怖くないよ?悟さんだもん。」
五条はその言葉に優しく微笑んだ。
お腹をひと撫ですると、五条はの顔の横に手を置き、そっと顔を近づけた。
はこれから来るであろう口付けに目を閉じ構えたが、五条がすぐに触れることはなかった。
「…?」
うっすらとが目を開けると、五条はただじーっとを見下ろしていた。
「にキスした瞬間、止まれる自信がない。」
「…悟さん。」
「振られたわけでも、嫌われたわけでもない。」
ある日突然、恋人が他人のように振る舞ったのだ。
自分だけを忘れて。
「責めてるわけじゃない。のせいじゃないのはわかってるよ。」
「悟さん…じゃあ、私からキスしてもいい?」
は両手を伸ばし、五条の両頬を掴み引き寄せた。