第3章 二人は一つ
部屋について五条さんは私と自分の腕の傷を治してくれた。
当たり前のように使うその術は,本来はとっても難しいやつらしいのだけど…。
「ありがとう。跡も残らないんだね。」
「まぁね。じゃあ、シャワー浴びてくるよ。」
「はーい。」
五条さんが私の部屋から出て行ったので、私はソファでくつろいでいた。
ジムでシャワーは浴びたので、あとはもうご飯食べて寝るだけ。
こんな暮らしばっかりしてていいのかと思ってしまうくらい、だらけまくっていた。
私と五条さんのつながりはバレてないようだし、別にいつも一緒にいなくてもいいのではないだろうか。
自分の入れた紅茶を飲みながら、YouTubeを見ているとバタバタと聞こえてくる足音。
前にもあった…。
『悟の反応を教えて。』
そう傑さんは言っていた…。
あ。
そうだ。シャワーに行ったんだ。
と言うことは、彼は鏡をみたーーー…
「ーーーー!!」
「ぎゃあああぁぁぁぁ!!!」
開け放たれた扉の向こうには、何も着ていない五条さん。
何も、着ていない。
「なんですか!!これは!!お母さん許した覚えありませんよ!!!」
「ぎゃぁぁぁー!服!!!」
私はすぐさま背を向けた。
まさか裸でくるとは思いもしなかった。
「ま…まさか……!」
「ふ、ふく着てくださいっ!!」
私が大声を上げると五条さんは、「事情聞きますからね!」と再びバタバタと戻って行った。
「お母さんって何…。」
あまりに驚いたので、今きっと五条さんの心臓は高鳴っているだろう。
それなのに、私の心臓といったら静かなものだった。
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「で。」
「……はい。」
なぜ私がこんなに詰め寄られているんだろう。
五条さんはシャワーをあびてサッパリとしたのか、いつものリラックスした格好にサングラス姿だった。