第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
傑さんと別れた私は荷物をまとめと、ハクにのって阿曽に向かって飛んでいた。
「ハクが領域内に入れられなくてよかった。」
あの時、私が領域展開の中に入れられる直前に、ハクは殴られて遠くに飛ばされていた。
もし、ハクが入っていたらきっと今頃ハクは死んでいただろう。
私は大阪上空あたりで、ハクの首元を強く撫でた。
「ごめんね、痛い思いさせて。」
くぅ。と鳴くハク。
「帰ったら一緒に寝よう。ゆっくり休もうね。」
ゴゥゴゥとなる風を感じながら、私は少し高度を下げた。
まもなく阿曽だ。
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「えー!、阿曽帰っちゃったのー!?」
「あぁ。悟と会うのは恥ずかしいってね。」
「引き留めといてよ!傑っ!」
ぷりぷりと怒る五条に対し、夏油は肩をすくめた。
「あと少しじゃないか?が全部の記憶を戻すのも。」
「まぁ、戻ってくれたら嬉しいけど、そこまで重要じゃないさ。」
確実に自分を意識してくれていると確信している五条は、にまにまとしていた。
キスをした時だって、拒否することなくただ目を閉じ受け入れてくれた。
その時のことを思い出しながら、五条はさらに笑みを深めた。
「気持ち悪いな。」
「ひっどーい。でも宿儺のこともあるし、まだ油断できないよねー。」
はまだ宿儺のことを好きかもしれないと、五条は口を尖らせたが、夏油は顔を上げ、にっこり笑いかけた。
「大丈夫。」
「…なにが。」
「宿儺のことはが自分で気持ちの整理をつけるはずだよ。もう少し待ってあげて。」
「何、となんか話したの?」
「まぁね。悟はとりあえず、どんどん押して口説き落とせばいいよ。」
「それ信じていいやつ?」
「いいやつ。」
夏油は五条のことを話すだけで顔を真っ赤にしていたを思い出し、口角を上げた。