第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
高専の一部屋を借りて、しばらく療養することになった私はしばらくは本当に骨が弱まってるらしく、あまり歩くこともしないよう言われた。
野薔薇ちゃんや傑さんがご飯を持ってきてくれたり、たまに話し相手になってくれていたが、夜はやっぱりあまり眠ることはできなかった。
ずっと横になってるのも暇で、YouTubeみたり、たまに体を動かしてはいたけれど、体力が落ちてしまっていて、すぐ疲れてしまっていた。
「ーっ。」
ノックの後、ひょっこっと顔を出したのは五条さんだ。
ここにきたのはあの日以来だ。
「五条さん、こんにちは。」
「何しての?」
ベッドに座ってにぎにぎと握力を鍛えてきた私はへにゃっと笑った。
「体力落ちちゃってやばいです。」
「まぁ、そうだよねー。治ったらなんとかなるよ。もう歩くのは許可されたんでしょ?」
「はい。絶対転ぶなって言われました。」
そう簡単に大人は転んだりしないって思いながら、私は立ち上がった。
「…顔色また悪いね。食べれてる?」
「はい。なんか骨に良さそうな食事がたくさん。」
五条さんが私の頬に手を伸ばしてきたから、ドギマギしながら答えた。
「寝れない?」
「……いえ。寝てます。」
つい嘘をついてしまった。
以前寝れないと言ったら、五条さんは膝枕をしてくれて、ベッドまだ運んでくれた。
そこまでまたされるのが恥ずかしくて、私は誤魔化した。
「相変わらずだね。」
「……?」
何が相変わらずなのだろうかと、首を傾げたら五条さんはにぱっと笑って私に手を差し出した。
「デートしようか。」
「え?…でも。」
確かに約束はしていたけれど、それは私がもっとまともに動けるようになってからだと思っていた。
「街に行こうかと待ってたけど、最近任務とかあってに会えてなかったし、が足りないから、今すぐデートしたい。」
「……た、足りないって。」
顔を赤らめながら、顔をそらすと五条さんは私の腕とった。