第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
五条はの腕を取り、青い目で見つめた。
「どういうこと?」
「…あ、あの………その…」
布団から起き上がり、顔を真っ赤にして必死に五条から隠れようとする。
後ろのドアが開き、硝子と夏油が入ってきた。
その顔は先程の真剣な表情とは裏腹に、にまにまと笑っている。
「私の反転術式舐めんなよ。」
ふっと笑う硝子に、五条は再びを見た。
「痛く…ない?」
「ご、ごめんなさいっ!治ってて…!寝たふり…して…ごめっ!!」
五条は、の言葉を遮るように力一杯を抱きしめた。
「痛くない?」
「……痛くないです。」
「良かった。ーーー…本当によかった、。」
本当に安心したような声でを抱きしめる五条に、硝子はため息をついた。
「こうでもしないと…な?夏油。」
「まぁ、私は知らなかったけど。」
五条はを離し、後ろで二人で笑い合うのを睨みつけた。
硝子の策略にまんまとハマった五条は、自分の言ったことを思い出し、手を口元に当て、すこし顔を赤らめた。
「傑に引き続き、今度は硝子にまでやられた。」
「“僕が君の足になる”ね。悟かっこいいじゃないか。」
「うるせぇな!」
「やればできるんだから、悟は好きな子にもっと積極的にならないと。」
「そうそう。それに私はそんな嘘はついてない。」
夏油と硝子に言われ、五条は照れを誤魔化すように睨み続けた。
「うそつけ。まで巻き込んで。」
「には、寝たふりしてろ。としか言ってない。それにの骨が弱くなってるのは本当だ。骨折するほどではないけどね。あまり強く抱きしめるなよ。まだ完全に回復するのには時間がかかる。」
抱きしめるなよ。という言葉にはまた顔を赤らめた。
ギシッと五条がのベッドに腰掛けに手を伸ばそうとしたが、はその手を避けた。
「…?あれ?さっき僕のこと“悟”って呼んでくれたよね?」
はぎゅっと目を閉じ、軽く首を振った。