第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
黒い髪の補助監督と彼と話すもう一人の補助監督から、と言う名が聞こえ、五条は彼の後ろに立った。
「ねぇ。」
「わっ!!五条特級術師!」
後ろに立った背の高い五条に驚き、綱手川は慌てて振り返った。
「さっきのもっかい教えて。」
「え?」
目隠しのしてない青い目が綱手川を捉え、綱手川は息を呑んだ。
「はやく。」
「えっと…さんのことですか?」
「早く!」
「さんとさっき電話してて、依頼があって一人で行くそうです。高専と違って補助監督とかいないから、いつも一人だから心配だって今話してたんです。」
綱手川ともう一人の補助監督は二人でそう話をしていたようだ。
「どこに行くか聞いた?」
「あ、はい。えっと……」
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綱手川から聞いた場所に五条は急ぎ向かっていた。
の家からの方が早そうだったから、まずはの家の上空に向かい、そこから飛び続けた。
「っ。」
呪霊に襲われているかもしれないを思い、五条はこれまでにないほど急いだ。
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ごぼっ…
は、薄汚れた水の中にいた。
呪霊の領域展開の中だ。
汚い水を飲み、溺れ、真っ暗な水の中、意識を朦朧とさせていた。
(臭い…、イタイーー…)
「っ!!!」
呪霊の領域展開の結界に穴をあけ、入ってきた五条は、緑のような茶色のような汚れた水の中に沈むに手を伸ばした。
そしての肩を掴み水から顔を出すと、領域内に潜む呪霊に視線を向けた。
「領域展開ーーー無量空処」
肩を抱かれたは、遠くでその声を聞いてはいたが、ほぼ意識はなく反応することはなかった。