第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
しばらく縁側で僕の膝で寝ていたが、少し冷えてきたから、が深く眠りについてるのを確認して、をゆっくり抱き上げた。
足元ではわらわらと小さな呪霊たちが歩き出していた。
寝室に案内してくれるらしいが、そんなのよく知っている。
何度ここでを抱いてきたか。
を両手で抱いているのを見た呪霊たちが、何匹も集まって寝室の引き戸を開けてくれた。
「便利だな。君ら。」
ちょこちょこ歩く呪霊たちはの布団までまくった。
「僕を信用してくれてるんだな。」
くすくす笑って、をそっと布団に下ろした。
布団をかけ横に立ってを見下ろした。
途端は眉を寄せ、唸り始めた。
「?」
「……うっ…ん………」
どんな夢を見てる。
何を思い出そうとしてる。
「ーー…。」
僕は布団に腰掛け、もう一度前髪あたりを撫でた。
「……っる…さ……」
るさ?
うるさい?
撫でていると段々と緩やかになる呼吸と表情に、僕はほっとしての横に寝転んだ。
「。…好きだよ。」
起きないようそっと抱きしめ、おでこにキスをすると、はすぅっとまた深く眠りについたようだった。
「僕に安心して寝てくれてるんだといいんだけど。」
最近眠れなかったのは僕がいないからで、今眠れてるのは僕がいるからだと。
そうだといい。
そう期待して、僕は擦り寄ってくるを抱きしめ続けた。
「ここに…キスをするのはまだ早いかな。」
指先での唇をふにっと触れた。
先日宿儺とキスをしているのを見てしまったから、本当は上書きしてやりたいが、今したらきっと止まらない。
嫉妬で狂って抱き潰す自信がある。
深く眠りについたのおでこにもう一度キスをして僕はの部屋を後にした。