第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
の家について、僕は縁側に座っていた。
つい傑の前では弱気になってしまう自分でも、いざを前にしたら普通に接することが出来ていたと思う。
の目を見ることが出来なくて、ついの家にいる小さな呪霊たちと戯れて誤魔化したりしていたが。
にこにことお茶を出してくれるが愛おしくて仕方ない。
手を伸ばせば触れられるところにいる。
恋人のふりを提案したら、案の定僕の心配をして断ってきたときは、笑ってしまった。
僕のお嫁さんだなんて、の口から言われるとは思わなかったけれど。
と約束したはずなんだけどな…。
それも忘れられてることに呆れながら、の顔を見ると明らかにクマが出来て疲れているようだった。
の頬に手を伸ばし、そっとクマをなぞった。
「最近…眠れなくて。」
そう言うは本当に寝不足そうで、見ていられなかった。
夜になると思い出すと言う情景が、僕のことだったらいいのにーー…。
僕を無意識に想って、寂しくて眠れなかったらいいのにーー…。
そう頭を撫でると、がそっと目を閉じた。
可愛い。
触れたい。
「五条さっ!」
無意識にキスしようとしてしまって、僕は誤魔化し離れた。
目を閉じてこちらを顔を向けたら、キス待ちしてると思うじゃない。
キスして仕舞えばよかったと、思いつつ僕はを引き寄せ無理矢理膝枕をしてやった。
ずっと寝つきが悪いというを寝かせてあげたかった。
「はい、ねーんね。」
昔はこうやって布団の中で頭を撫でてあげて、寝ていた。
もし僕の手を覚えててくれてるのなら、寝てくれるかもしれない。
そんな希望を抱きながら、がいつも目を閉じる前髪あたりを指先で優しく撫で、髪の毛をさらさらと触れていった。
「おやすみ、。」
力が抜け、寝息をたてるの頭を僕は優しく撫で続けた。