第2章 二人はずっと一緒
この筋肉量に勝てるわけがない。
Tシャツ姿になった瞬間、わかってたことだ。
私は少し傑さんの肩と胸を押したけど、無駄だとさとった。
「す…すぐるさんっ、こんなことはやっぱり…っ」
硬い筋肉とは違って、やわらかい唇がまた首筋に触れていた。
「は、柔らかいな。」
背中を撫でるように大きな手のひらが撫でていく。
「ん…っ、くすぐっ…」
「…。」
恥ずかしい声が鼻から抜けるように出てしまい、私は傑さんの肩をぎゅっと握った。
すると、鎖骨の上あたりでチクリと痛みが走った。
「あっ…だめ」
シルシをつけてる。
そうすぐにわかった。
しばらくすると傑さんは顔を上げ満足そうにしていた。
「うん。ついたね。」
「……もう。」
私はきていたロンTをぐいっと引っ張ってシルシを隠そうとした。
こんなことして何になるんだろう。
別にこんなところ五条さんはみたりしない。
「これで悟にもついたかな。」
「…えっ!?でも、あれは出血を伴う傷を共有するんですよね?」
「これも立派な内出血さ。」
傑さんはそう言ってペロリと自分の唇を舐めた。
「五条さんを揶揄うためにやるのは、ちょっとやりすぎじゃないですか?私にだって…こう…。尊厳というものがですね?」
「イタズラもあるが、そのためだけにやったりしないさ。だからだよ。」
再び腰に手を回し傑さんが私のこめかみにキスをしてきた。
「そんなことで流されませんよ……っ!!!」
私がそう言った瞬間、左の二の腕あたりに激痛が走った。
体験したことのないような痛み。
「うっ…わぁ…」
「…?!」
白い服がだんだんと赤く染まっていく。
「い…いた……」
私はこれ以上服が汚れたら困ると思って、私は上の服を脱ぎ捨てた。
タンクトップ一枚になって、私は自分の二の腕の傷をみた。
パックリと切れている。
「悟がやられたのか。」
「多分そうだと思います。大丈夫でしょうか…。」
「悟は大丈夫だ。は平気か?」
「痛いですぅ。」
こんな怪我したことない。
見るだけで貧血起こしそうだ。