第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
「だーいじょーぶ。僕しか見てないから。」
そういう問題じゃない。
恋人でもない人の膝枕は死ぬほど恥ずかしいし、とても気不味い。
「やっ…」
「寝てないんでしょ?ほら、ねーんね。」
子供をあやすように五条さんは私の頭を撫で続けた。
髪の毛をさらさらと整え、肩を撫で、前髪の辺りを撫でられ、私はゆっくり瞼を閉じた。
「…五条…さん……あたたかいーー…」
「うん。」
あんなに夜寝る時に寒くて冷たくて眠れなかったのに…
布団にも入ってないのに、今はこんなにも暖かい。
私は全身の力を抜くと、意識が飛んだかのように眠りこけてしまった。
■□■□■□■
【五条side】
任務任務任務。
ここ最近地方への任務ばかりになっていた。
「くそっ。」
数日前から傑に教えてもらっていたの状況。
“がいろんな家から結婚申し込まれてるぞー。”
少し揶揄うような言い方に電話の向こうの傑を蹴り飛ばしたかった。
僕だって早くの元に行きたい。
総監部が浄化の力を認め、呪術界にその力を広める。という話を聞いた呪術の家系がこぞってを手に入れようとしていた。
そんなことを聞いてすぐに上の連中に真意を聞きに行ったが、浄化の力の話はしていないというじゃないか。
ならなんでそんな話が一人歩きして、が振り回されているのか。
「ねぇ、取られちゃう。」
電話の向こうの傑に任務終わりに愚痴っていると、傑はケタケタと笑った。
『が話をのむとは思えないな。』
「でもは何よりも家にいるちっこい呪霊たちを大切にしてるんだぜ?呪術界にの力を広めるチャンスじゃない。」
『それで結婚はしないだろ。阿曽からは離れないだろうし。』