第20章 もう一度貴方と (番外編3の2)
「せんせーー!」
運動場の中心で虎杖か五条に大きく手を振った。
「先生、相手してよー!」
虎杖は強くなった。
体術に関してはずば抜けた才能があった。
それこそ五条が相手にしないといけないくらいに。
伏黒ももちろん上達はしていたが、体術のみに関してはやはり虎杖の方が上だった。
「呼ばれてるぞ、五条せんせ。」
夏油に言われ、五条は軽く夏油を睨みつつ立ち上がった。
「オマエも教師やれよ。」
「ガラじゃない。」
「嘘つけ。」
五条は何度も夏油を教師に勧誘してきたが、いつもこうして断られていた。
「何よりも呪術師大切に思ってるくせに。」
「悟ほどじゃないさ。ほら、ライバルのゆーじくんが待ってるぞ。」
「くそっ。」
ライバルになんかなるわけがない。
相手は宿儺であって虎杖ではない。虎杖は生徒でまだ子供だ。
五条は軽くストレッチをしつつ、虎杖のもとに向かった。
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「ふぃーー!やっぱり五条先生には敵わねーや!」
「そんなことないよ、悠仁。また早くなってる。恵も前に比べて良くなった。」
五条に褒められ、にまにまする悠仁に対し、伏黒は五条の前に立った。
「先生、今度宿儺と手合わせしてもいいですか?術式をもっとうまく使いたいです。」
「ん?んーーーー、まぁ、十種影法術は確かに宿儺のほうが詳しいかもね。」
「今回はいいっす。また今度で。」
伏黒はさっと視線を外し、そう言った。
今週は仕事でが高専に来ている。
伏黒は以前の会話でなんとなく察したのか、と宿儺は会わせない方がいいと思った。
それに気づいた五条は、優しく微笑み伏黒の頭を撫でたが、照れたように伏黒は五条の手を振り払った。
「あ、さん。」
野薔薇が校舎のほうに視線を向け呟いた。