第20章 もう一度貴方と (番外編3の2)
これからもよろしくという、の笑顔は可愛いけど残酷で、恋人の時に見せていた柔らかい笑顔とは少し違って見えた。
「忘れちゃってなんだか寂しいけど、五条さんが仲良かったってことは今回のでよくわかりました。」
「そ?」
「はい。私がやりたいことすぐわかってくれたし、出来るって信じてくれたから…ありがとうございます。五条さんって本当に凄いんですね!パパッと祓う感じとかやっぱり全然他の人とは違いました!」
「まぁーね。僕すごいんだよ。」
いつもの調子で言うとが声を上げて笑った。
「そうなるまでにかなり頑張ってきたんですね!すごいや…。」
「……。」
同じことを言う。
前と同じことを。
天才
神童
才能
六眼
血筋
そんなものを抜きにしては僕を見てくれていた。
僕の努力に気付いてくれた。
僕は照れ隠しにの頭の上に顎を乗せてやった。
「…まぁね。」
頑張って当たり前の世界で、頑張ってすごいと言える。
ーー…あぁ。好きだなぁ。
「夜遅くなったね。平気?」
「はい。お昼たくさん寝ます!五条さんは大丈夫ですか?明日平日…ってことは学校?」
「僕は寝なくても平気だから。反転術式あるからね。」
「身体の疲れは取れても気疲れとかありません?大丈夫ですか?…まぁ、応援呼んだの私なんですけどね。あはは。」
また同じことを言う。
「あー、もう。」
「ご、五条さん?」
つい後ろからの腰に手を回してしまった。
「ごっ、五条さんっ?」
の肩におでこを乗せ、すり寄せてしまう。
に僕をもう一度好きにさせるって思ってたのに。
僕の方が何度もオマエを好きになっちゃうじゃない。
「なんで……」
「五条さん?」
「なんで、忘れちゃうかな……バカ。」