第20章 もう一度貴方と (番外編3の2)
「そうか、は生まれ変わりなんだな。」
「うん。一気に阿曽巫女の記憶を思い出してびっくりしたけど、今まで通り呪霊を浄化していこうかなって思ってるよ。」
縁側で足をぷらぷらさせながら、お茶を飲んでいると、傑さんが私の頭を撫でた。
「呪力は増えたみたいだな。」
「うん。なんか浄化の力をちゃんと扱えるまではって無意識に抑えてたみたい。そこまで強力ってわけじゃないけどね。傑さんたちの方が全然呪力は多いと思う。」
手をにぎにぎしていると、傑さんが少し言いにくそうに切り出した。
「ところで…なんで、記憶を取り戻したんだ?」
「あっはは、笑わないでね?」
「あぁ。」
「気になるやつがいてさ。私が封印したあとのことが気になっちゃって…。いつかのためにこの子に預けてたの。」
足元で寝転んでいるハクの頭を優しく撫でながら言った。
傑さんは少し考え込んでいるようだった。
「封印ってのは…宿儺のこと?」
「うん。」
「が封印したんだ。」
「弱らせたのは他の術師だよ。私は倒しきれなかった宿儺の指を切り取り各地に封印しただけ。浄化の力をまとわせて。でもさすがに千年ももたなかったけどね。」
「…よく知ってるんだね。宿儺のこと。」
そう言われて私は千年前のことを思い出した。
よく喧嘩したし、殴り合いもした。
もちろん宿儺は私を揶揄ってるだけだっただろう。
いがみ合いながらも私はそれが心地よかった。
浄化を狙うもののけたちに襲われると、なんだかんだで宿儺は助けてくれた。
そして、よく体液を与えもしたーー…
「ーー…うん。知ってる。」
「……そんな顔するんだ。」
「え?」
「いや、恋する乙女みたいだ。」
傑さんに言われ私は顔が熱くなった。
「や、やめてよ。ドキドキが伝わっちゃう。」
「…え?」
ん?
傑さんのキョトンとした顔に私は自分が今何を言ったか考えた。
「伝わる?」
ーーー…誰に?