第2章 二人はずっと一緒
「それは自分の心配?僕への心配?」
五条さんが怪我をすると私が怪我をしてしまう。
だからといって今自分の心配なんてするはずがない。
「五条さんだよ。肝心な時にふざけて怪我しちゃってそう。なんか弟みたい。」
「ちゃん、弟いないでしょ?」
「なんで知って…あ。調べました?」
「そりゃ、家にあげるんだから調べるでしょ。」
「任されて、丸投げされて、やってきて当たり前が日常だったけど、心配されることもあるんだねー、僕も。」
五条さんはケラケラと笑い、私の髪の毛に触れてきた。
「こう言うのも,悪くないね。」
「…。」
「お?」
伊地知さんがいるからか、五条さんは何も言わずににやにやと自分の心臓を指差した。
急に髪の毛とか触れてくるからだ!
ちょっとくらいドキドキするよ!
私はむっとして五条さんの肩を押しやった。
■□■□■□■□
学校…なの?
私は目の前の施設に口を開けた。
「日本に二校しかない学校だよ。4年制で、一学年約三人!」
生徒数少ないのになんて広いんだろう。
「学校だけじゃなくて、呪術関係の施設全部入ってるからね。」
私の思ってること全部答えてくれる五条さん。
「人が行き来してるから、ちゃん一人ジム使ってても誰も何も思わないよ。たーだ、傑のそばにいて、ひとりにならないようにね。」
「はーい。」
「さん。お久しぶり。」
中まで五条さんと行くのかと思っていたが、もうここから夏油さんと交代するらしい。
車を降りたら、もうすでに夏油さんが待ってくれていた。
「んじゃ、僕はこのまま行くから。」
手を振って車に戻ろうとする五条さんは、急に振り返って私の耳元に近づいてきた。
「傑と浮気しちゃダメだよ。」
「んなっ!!」
「はははっ!」
グーパンをお見舞いしてやろうと思ったけど、サラリとかわし五条さんは今度こそ車に乗り込んで行った。