第2章 二人はずっと一緒
久しぶりの外である。
ジムを使えると言うことで、私は運動しやすそうな服を着て、朝から部屋で待っていた。
「おっはよ。張り切ってるね。」
「うん、楽しみだったの。でも、大丈夫?人に見られて。」
「見られるのは平気さ。僕たちの関係がバレなきゃいい。まるで呪力を隠した呪術師のように振る舞ってね?」
「話さなければボロは出ないはず!」
飲み物などを入れたカバンを肩にかけ私は立ち上がった。
「…おっぱいでかいね。」
タンクトップにロンTをきた私の胸元を見て、五条さんははっきりとそう言った。
「バカなこと言ってないで、前歩いてください。」
「ちぇ、まーだそんなにドキドキしないかー。」
この男、あれ依頼私をどうにかして夏油さんよりドキドキさせようとたまにこんなことを言ってくる。
「セクハラにドキドキしません。」
はっきりそういうと、五条さんは肩をすくめた。
家の前まで行くと黒い車が停まってて、スーツを着た男性がいた。
「乗って。」
と、五条さんに言われ私は後部座席に乗り込み、すぐに五条さんも隣に乗ってきた。
ーー…え、まさかの運転手さん?
黒いスーツの方は専属の運転手さん!?
あまりいろいろ聞いたら呪術師じゃないとバレたら困ると、私は瞬きをしながら黙って五条さんに視線を向けた。
「あー、彼は伊地知さん。色々してくれる人だよ。」
紹介が雑すぎる。
スマホをぽちぽち弄りながら五条さんは適当にそう言った。
バックミラー越しに目が合う。
私は少し微笑んでから会釈をしておいた。
「今日…依頼って言ってたけど、危ないことしてくるの?」
私は運転手さんに聞こえないよう五条さんに近付いて、こそっとそう尋ねた。
「僕にとってはそうでもないかな。」
ほら、最強だから。と、五条さんは言った。
ここずっと一緒だった。
私の部屋に暇さえあればやってきて、お菓子食べたり、私の入れる紅茶飲んだり、
ふざけて下ネタ言ってきて、ドキッとさせたいのかセクハラしてきたり。
そんな五条さんが、危ないところに行くと思うと、なんだか心配だった。
「気を付けてね…?」
ぽそっと言うと五条さんがスマホから顔を上げこちらに視線を向けた。