第19章 もう一度貴方と (番外編3)
【五条side】
呪物を作り出す海外の呪詛師に会いに行き、呪具の買い付けなどを終わらせた五条は日本に帰ってきていた。
早く高専での報告などを終わらせに会いに行きたかった。
一週間前に会いに行ったとはいえ、挨拶程度しか会えなかった。
「悟。聞いてるのか。」
「ん?あー、聞いてる聞いてる。」
夜蛾学長に言われ、五条は適当に返事をしていた。
「ということで、虎杖のこと頼むな。」
「え?悠仁?」
「やはり聞いてないじゃないか。たった今話しただろう。」
五条の相変わらずの適当さに夜蛾学長はため息を吐いた。
「虎杖の様子が変なときがあるから、また聞いてやってくれ。」
「はいはーい。」
五条は手をふりふりと振り、立ち上がった。
「んじゃ、明日休み貰うからいいよね。」
「あぁ。…んまぁ、ゆっくりするといい。」
五条がのところに通ってることを知っている夜蛾学長はなんとなく照れながら五条に言った。
■□■□■□■□
五条はの家の上空にいた。
夕方ならもいるだろう。
一週間前もお預けをくらい、その前も会えなかった。
「今日は爆発するかもなー。」
にまにまと笑いながら五条はゆっくりとの家の庭に降りた。
はリビングにいるようだった。
小さな白い呪力。
優しいその呪力を感じただけで、五条はほっと安心するようだった。
庭を歩いて縁側の方へと向かうと、が窓の向こうに立っているのが見えた。
目が合い五条は手を振った。
とたん、五条の胸に矢が放たれていた。
「…?」
無論、無下限術式でその矢は当たることなく地に落ちたが、五条はその矢を見た。
本物だ。
「…誰だ。」
の低い声が響いた。
開けられた窓から縁側に立つは五条を見下ろしていた。
「?」
「誰だと…言っている。」
の手には小さな弓が握られ、矢を五条に向けていた。