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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第19章 もう一度貴方と (番外編3)


私がわんこを見つめていると、悟さんが後ろから私の腰に手を回してきた。


「んー、久しぶりのの匂い。」

後ろから首元に顔を埋め、すんすんの鼻で吸い込んだ。

「今日は泊まるの?」
「…そうしたいんだけど、海外出張が入ったんだ。もう行かなきゃ」

首筋に唇を落とし、悟さんが少し低い声で言った。

「残念。帰ってきたらまた教えて?お土産も期待してる。」
「あーーーー」


グリグリと私の頭に頬擦りする悟さんに私はくすくすと笑った。

「たーりーーーなーーーいーー」
「そうだね。」

私はくるっと体制を変え悟さんと向き合い目隠しを下まで下げた。

先程、わんこと似てると思ったけれど、やっぱり全然違う。
彼の瞳はこんなにも美しい。


「帰ってきたら…またしよ?」
「……いましよう。」

私のシャツに手を伸ばし真顔で脱がせようとする悟さんに私は必死に抗った。

「高専のみんな待ってるんでしょ?早く行っておいで!」
「屋敷帰ってきてよ!嫁に来いよ!」


私の服を引き裂こうとする悟さんの手の甲を私はパシッと叩いた。


「だから雑なんだって!言い方が!…それに、ここにいる子たちは高専には入れないから。」


呪力もあまりない低級のただのんびり過ごしているだけの呪霊たち。
高専の結界にも耐えられないし、呪力の強い呪術師たちに当てられてすぐ消えてしまうだろう。


いまだって悟さんは極限まで呪力を抑えてくれている。

そんな子たちに何度も救われ助けられた。


「置いてけないよ。」


むーっと口を窄める悟さんの頬をよしよしと撫で、私は何か思いついたように意地悪に笑った。


「そうだ。悟さんが五条家抜けて私の婿においでよ。」

冗談のつもりでそういうの、悟さんは目を見開き私を見た。


「いいね。そうする。」
「えっ!?うそだよ!やめてよ!ごめん!!冗談だから!!」

「え、いいじゃん。」
「だめだって!御三家御三家!」
「ふるくさい。」


私は必死に悟さんを説得し、やっとのことで悟さんは私から離れた。



「まぁ、これからのことは海外から帰ってから話をしようよ。」
「そうだね。待ってる。気をつけてね。」


「ーー…も。」


庭で両手をバンっと合わせ消えた悟さんに私はいつまでも手を振っていた。


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