第2章 二人はずっと一緒
五条さんがドキドキした…?
いや、ちょっと心拍数あがっただけかな。
「ーーなんかあったのかな。」
紅茶の缶が落ちる音にびっくりしたとか…?
あの高いカーンって音が苦手なのかもしれない。
と、私は勝手に完結させた。
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数日も籠っていると、運動不足が極まっていた。
さすがにまずいと私は朝食後にスクワットをしていた。
「…何してるの。」
「え?運動です。」
最近は遠慮なしに私の部屋に入ってくる五条さん。
暇な時は私の部屋のソファに座って、よくお菓子を食べていた。
「今することなの?」
「だって、五条さんいない時にすると、心拍数あがって五条さん気にしちゃうでしょ?」
「ふーん。何かスポーツとかしてなかったの?」
「部活とかは文化部でした。社会人になってからはまったく。それでもこんなに動かないのはさすがに初めてです。」
スクワットを終え、私は床に横になった。
「何それ。」
「うで…たて……ふせですっ!」
「生まれたての子鹿の真似かと思った。」
確かに膝をついてるし、筋力無さすぎてプルプル震えてるけども!
「腕立てと言えばこうでしょ!」
と、私の横に同じように腕立てを始めた五条さんに私は驚いた。
「ゆ、ゆびっ!?」
右手の人差し指一本で腕立てをしていたのだ。
「はっは!僕くらいになると簡単簡単。」
「マンガみたい!すごい!本当どこかのアニメのヒーローみたいです!五条さん!」
私は素直に拍手を送った。
それだけ私にとって衝撃的だった。
「…こんなことでそこまで褒められることないから、驚きなんだけど。」
「すっごいことですよ!」
「僕の周りでは普通だよ。生徒も出来るよ。」
「呪術師すごくないですか!?」
「君が弱すぎるんだよ。」
普通だよ。
私は普通だ。
床にあぐらで座る五条さんはにこにこと私の腕立てもどきを眺めていた。
「明日さ。」
「は…いっ…!」
腕立てもどきを一旦辞め私は五条さんの方を見た。
「僕にしか出来ない依頼が入ったからさ。一緒に高専に来てくれる?」
「こーせん?」
「僕が先生してる学校。そこで傑と交代するから。そこにジムあるから使えるようにしてあげるよ。」
「本当?ありがとう、五条さん!」