第18章 番外編 2
いくら待っても
何日経っても
悟さんは帰ってこなかった。
『僕勝つよ。行ってくる。』
背中を向け、笑顔で振り返る悟さんのにかっと笑う顔がいつまでも頭から離れなかった。
知らせが来たのは数日後で、悟さんが言った通り乙骨くんや虎杖くんたちみんなで全てを終わらせたらしい。
「……全部、予想してたんじゃない。」
連絡が来た携帯を手に握りしめ、私は縁側でつぶやいた。
「ーーー…全部。こうなるって知ってたんでしょ。」
ぴっ?
ぴぴっ?
足元で小さな呪霊たちが私を見上げ首を傾げていた。
不安そうな目をしている。
「……絶望なんかーーーしない。」
『はないの?絶望したりとか』
『んー?悩んだりはするけど、絶望はしないかな。絶望すらくらいなら推し見ながら美味しいものでも食べるかな。』
「さと……る、さっ……ん…!」
今日だけ。
今日だけはーー…
「あっ……あぁっ!うっーーーうわぁぁぁーーーっ!」
大声で泣くことを許してーーー…
今日だけ世界全てを恨み、絶望することを、許して悟さん。