第18章 番外編 2
ーーー…何かあったら?
私は首を振った。
何かあったらなんて、考えたくもなかった。
わかってる。
そんな簡単な戦いなんかじゃないってことも。
みんなで戦うんじゃなく、悟さん一人で行く意味も。
それでも、負けるかもしれない未来を考えたくもなかった。
笑って送り出したい。
いつも通り、“いってらっしゃい”って言いたい。
「ーー…。」
「……はい。」
「僕は勝つよ。」
「うん。」
「……想像したくないし、考えただけで腹が立ってくるんだけどさ。」
「うん。」
悟さんは私の肩に手を回し、ぐっと引き寄せた。
私の頭にキスをして、包み込むように抱きしめた。
「僕がいない未来があれば、は誰かといて幸せになってほしい。」
「……っ。」
「やっぱり言葉にしてもが他の誰かと一緒にいる想像しただけで腹が立つんだけどね。とともに未来を歩むつもりだからさ。それでも、残しておきたいんだ。僕がいなくなる可能性がある限り。」
「勝つんでしょ!?」
「勝つさ。やる気満々。絶対勝つ。」
私から少し離れ、にかっと明るく笑う悟さんに私は本当に泣いてしまいそうだった。
それでも必死に我慢した。
悟さんが笑ってるのに、私が泣いちゃダメだ。