第18章 番外編 2
私は、悟さんにピッタリひっつくように座り直した。
「…ごめんね。私が宿儺を少しでも浄化できたらよかったんだけど。」
「宿儺相手には無理だ。が気に病む必要はない。それにそれが出来るくらいなら平安時代にもっと力のあった阿曽巫女がそれをしていたはずだ。」
「そう…だよね。」
私にもっと浄化の力があれば、宿儺をここまで邪悪に育てることはなかったのかもしれない。
少しでも力を削いでやることが出来たかもしれない。
「…悟さん一人に戦わせるのが……つらい。」
「だーいじょうぶ。言ったでしょ?僕は最強だって。」
「最強でも一人だよ…。」
悟さんはにっこりと笑った。
「がさ、前に僕一人に背負わせたくないって言ってくれたの覚える?任せることはあっても背負わせたくないって。」
「うん。」
私が呪詛師に襲われて、悟さんが私を守るために戦ってくれた時に言ったことだ。
私も悟さんと同じ景色を見たくて言った。
「あの時、本当の意味で僕はに恋をしたんだ。」
「…?」
「可愛いなーとか、好きだなーってことは思っていたんだけど、あの時を一生そばに置きたい。ずっと守って共に行きたいと思ったのはあの時だったんだ。」
「……っ。」
悟さんは私の頬に触れ、微笑んだ。
私はぐっと噛み締め泣くのを我慢した。
「嬉しかった。幸せにしたいと思った。」
「…うんっ。」
「今、生徒達を持って、仲間が増え、僕は明日、宿儺と戦うよ?でも一人だとは思ってない。みんなから託されはしたけど、背負わされてはいない。僕はみんなを…仲間達を導くから。」
「導く……」
「そ。みんな強くなった。僕に何があっても、悠仁や憂太たち、みんながいる。」