第17章 番外編 1
は頭を撫でられてる感覚で目を覚ました。
「あ、起きた?」
「…あ…こほっ…」
悟さん。と、声を出そうとしたが、枯れてうまく出せずは咳き込んだ。
「あれだけ喘いでたら、声枯れちゃうよね。はいお水。起きれる?」
ベッドのサイドテーブルのお水を手渡され、私はそれをゆっくり飲んだ。
「記憶は?」
「…無くしたい。」
「あはは、あるんだね。」
それはよかったと、五条はの頭を強く撫でた。
「とりあえず、解呪は成功ー。おめでとう。」
「かい…じゅ…」
「そ、呪いをぜーんぶが受けてくれたおかげであの呪物はただの入れ物、まぁもうゴミになったわけ。」
は、シーツに顔を隠し、少し前の出来事を頭で思い出していた。
「…死んじゃう。…死にたい。」
「えー、ダメだよ。せっかくの全部貰ったのに。」
「わざと呪いをかけたの…?」
「最初はそのつもりはなかったけどね。さすがにお札が焼き切れて呪いがを襲った時は焦ったよ。でも、これはこのまま利用できるなとは思った。」
「…くすん。」
はわざとらしく泣き声を上げた。
顔を上げ、シーツで胸元を隠しつつ、横の五条を睨みつけたが、首元や鎖骨、胸に歯形が赤々とついているのを見て、は口を開けた。
「あー、これ?」
の視線で気づいたのか、五条は自分の二の腕にあるの歯形に手を触れた。
「からの愛。しばらく残しとこうと思って♡」
は泣きそうになりながら首を振った。