第2章 二人はずっと一緒
前を歩く五条家さんの後ろを黙ってついて歩いた。
私の部屋に戻るのだ。
「ねぇ。」
「はいっ。」
「結局傑に何されたの?キス?」
「さすがに!それはないです!出会ってすぐそれはないです!」
「だよね。」
そんな話をするもんだから、今もきっとドキドキしてそれが五条さんには伝わっているだろう。
私のドアを開けると、私はすぐに部屋に入った。
「…五条さん?」
ポケットに手を突っ込み、扉の前で何も言わずに立っている。
夏油さんに何されたか、そんなに気になるんだろうか。
「何をされたらこんなに心臓が高鳴るのか気になるんだけど。」
僕はこんなになったことないからね。
と、五条さんはたんたんと告げた。
「いつか五条さんも恋をしたらそうなるんじゃないですか?」
恥ずかしくて適当にそんなことを言うと、五条さんは私のそばにやってきた。
「じゃあ、傑に恋したってことか。」
「えっ!?違いますよ!」
「今そう言ったじゃない。」
「…そう……ですけど。」
なんて言ったらいいのかわからない。
五条さんが何故こんなにも興味を示すのかわからない。
「僕イケメンでしょ?」
「はっ?」
急にそんなことを言って、私の手を引きソファに腰掛け、私も五条さんに引っ張られるまま、彼の横に腰掛けた。
真横に座る五条さんに私は首を傾げた。
肩がぐーっとひっついている。
「……ぜんっぜん傑の時と心拍数違うんだけど!」
「ええっ!?」
「なに!これ以上のことしたってこと!?僕にもドキドキしなよ!!」
「対抗心燃やさないでください!」
下の名前で呼び合う二人だし、大親友と言っていたが、まるで兄弟のような二人なのだろうか。
どうやら五条さんは夏油さんに負けたのがすこし悔しいらしい。
「あれは…だって、急にされたし…その、夏油さんって雰囲気がある人じゃないですか。」
「……ドキドキしてる。」
「実況しないでください。」
私はぺしっと五条さんの太ももをたたいた。