第15章 二人の未来
悟さんの高速移動のおかげで、すぐに悟さんのお屋敷についた。
「今日はゆっくり休んで。一人でお風呂入れる?洗ってあげようか?」
私は慌てて首を振った。
「ううん、大丈夫だよ。」
「……ねぇ。心臓がわからないとが何考えてるのかわからなくなった。」
「ちゃんとドキドキしてるよ。」
ふふっと笑うと悟さんは私を優しく抱きしめてくれた。
「本当だ。ドキドキしてる。よかった。」
「他のイケメンみてドキドキしてもバレないね。」
「……?」
「ね、一緒に寝ていい?」
「そのつもりだったけど。」
私が顔を上げてそう言うと、悟さんがきょとんとした顔で言った。
そもそも別に寝るって、選択肢がなかったことがおかしくてまた笑ってしまった。
■□■□■□■
お布団の中で私は今日あった事を思い返していた。
「やっと終わったねー。」
「そうだなー。」
悟さんが私を腕枕してくれて、私の髪の毛をサラサラと撫でていた。
「私の首絞めてるとこ、見たよ。」
「げっ。」
少し慌てた様子の悟さんに、私はくすくす笑った。
「二人が特級相手にひょいひょい攻撃避けてるの凄かった。私のせいで思いっきり戦えないのストレスだったでしょ。」
「そりゃあね。手加減するの大変なんだよ。の中身がどれに入ってるかわからないから、攻撃できないし。その時意識はあったの?」
「うん。操られていたけど、ちゃんと見えてたし意識あったよ。」
叩き落とされた時のほっぺも痛かった。と言いそうになったけど、やめておいた。
「操られてたの戻ったのはどうやって?」
「…最初に校舎に矢を放った時に浄化した小さな呪霊たちが操ってた髪の毛を噛み切ってくれたの。」
「…へぇ。」
「弓を放てって言ってくれたのも、小さな体で持てなかった弓を支えてくれたのも、その子達なの。」
「を中身が浄化の巫女だと気付いたんだな。」
「うん。」
私は悟さんの肩に頬を擦り寄せた。