第15章 二人の未来
私を狙う呪霊がいなくなったことで、“私を守るために五条悟に守らせる。”という目的がなくなった。
最初にかけられた呪いは無くなった。
「…なんでこんな倦怠感と全身痛?」
ベット上で私は自分の腕をさすった。
「乗っ取ってた呪霊が普段がしない動きをしてたからかな。あとは、もともと少ない呪力を練り出そうとしたから。」
ズバッと言われ私は何も言えなかった。
6歳の子供の体力より私の方がないなんて、言い訳もできない。
「小さな傷とか、そういうのは治しといたわよ。」
悟さんとは違う方から声がして私はそちらに視線を向けた。
白衣に長い髪。特徴的なクマ。
「ありがとう硝子。」
「この子が五条の例の子?ふーん、ちょっと血が欲しいわね。」
椅子から立ち上がり、私を観察するように見ている女医さんに私は上半身を再び起こした。
「治してくださってありがとうございました。」
「硝子は僕の同級生だよ。」
私の横で椅子に座ったまま悟さんが紹介してくれた。
「クズの相手大変でしょ。困ったら言うんだよ。」
くしゃっと、私の頭を撫で硝子さんと呼ばれた女医さんは手を振って部屋を後にしようとした。
「私隣で寝てるから。もう元気なら帰っていいわよー。」
そう言って隣の部屋に入って行った。
「もう、夜だからね。僕らも帰るか。」
「あ、うん。」
全身痛といっても、ひどい筋肉痛みたいなものだ。
私はベッドの下に置いてくれていた靴を履いた。
「もう夜なんだね。」
「あぁ、、矢を放った後気を失ったんだよ。体はのものじゃない状態で浄化を使ったから負担が酷かったんだろ。」
「そっか…。」