第2章 二人はずっと一緒
立っていた夏油さんはちょいちょいと、私を手招きした。
私は素直に立ち上がり、夏油さんの前に立った。
五条さんもだけど、夏油さんもとても背が高く、ガタイが良かった。
さっきさらっと『戦う』って言っていたけど、呪いを祓うのは私の考える念仏を唱える除霊とかではなく、本当に戦うのかもしれない。
それくらいガタイが良かった。
ぽけっと夏油さんの胸辺りを眺めていたら、夏油さんが私の手首をそっと掴んできた。
「…?」
そして、そのまま私の手の甲に口付けたきたのだ。
「…んっ!?」
「ふふっ。」
「げ、げとうさん!?どうしたんですか!?」
「いや、さんって非術師なのに、可愛いなって。」
非術師なのに!?
夏油さんは非術師が苦手なのだろうか。
口付けていた手を引かれて夏油さんは私の腰に手を回してきた。
「ちょ…っ。」
まだ会って1時間かそこらの男性にこんなことされるなんて考えもしなかった。
どうしたいいか、パニックで考えられずにいると、ふわっと夏油さんの髪の毛が私の頬に触れた。
「わっ…!」
首筋に何か柔らかいものが触れてる。
それが彼の唇だと認識したのは少し経ってからだった。
「…ひゃ……」
私は力一杯夏油さんの胸を押した。
「なっ……!なんですか…!?」
にこにこ笑う夏油さんは壁にかかった時計に視線をむけた。
バタバタ!!ガタ!!!
廊下から大きな音がする。
「くっくっ」
と笑い続ける夏油さん。ま、まさかーー…!
「っ!!」
バーーン!と扉を開けて入ってきた五条さんは息を切らしていた。