第15章 二人の未来
五条悟はいつでものもとに行けるように、外で待機していた。
心臓が繋がってる二人は、どちらかが傷付けば、同じ場所に傷ができる。それを利用してからの合図を待っているのだ。
「はぁぁぁーーーー…」
石段に腰掛け、五条は頭を抱えた。
「なーんで、あそこであんなこと言っちゃったかなぁー。」
あんなこと。五条がに対して、結婚を申し込んだことだ。
咄嗟に出てしまった…と言えば語弊があるが、少なくともあそこでいうつもりは元々なかった五条は、さっきのの視線を思い出し、もう一度ため息をついた。
「…断られたわけじゃない。」
その話は後でしようと、言われただけだ。
五条も別に、が危ない場所に行くからってわけでプロポーズをやったわけじゃない。
「軽薄だと思われたらどうしよ。」
いつもの元気とポジティブはどこにいったのか、に対しては弱気になる五条は、最後にもう一度、大きなため息をついた。
「…っ。」
その時だ、五条は自分の左手の人差し指に小さな切り傷を確認した。
立ち上がった瞬間、五条はすでに廃校グラウンドの上空にいた。
目隠しを取り、全体を見渡す。
傷は、からの呼び出しの合図。
「…でかいのが一体。あれだな。とりあえずだ。」
ぎゅんっとスピードを上げ、五条はグラウンド横に降り立った。
「やっほー、。無事そうでよかった。」
五条が降りて手を挙げると、は安心した表情になった。
「悟さん…!」
が五条に手を広げ、抱きつこうとしたが、五条は手を出し彼女を支えた。
「今無下限してるから。」
「あ、そうか。ごめん。」
「で?特級は?」
「なんか…細くて長い気持ち悪い女みたいな曲がってるやつ。」
「…わかりづらいな。」
くくっと笑う五条は、の緊張をほぐしたようだ。