第15章 二人の未来
「。」
私の手をぎゅーっと強く握り、悟さんは目隠しを下げた。
「どうしたの?」
「五条家の当主として、正式にに結婚を申し込みたい。」
「…はぇ!?」
「おいおい。」
傑さんは驚いた顔で横の悟さんを見ていた。
私を元気づけるためかと思ったけど、悟さんの目は真剣だ。
私はため息をついた。
「傑さん。行こう。」
「え。あ、あぁ。行こうか。」
廃校までは、悟さんは高専で待機、私は傑さんの飛べる呪霊に乗って行く予定だ。
「ちょちょ!ちょっと!」
漫才みたいな入りに、私はつい笑ってしまった。が、ここはがつんと言わなきゃいけない。
「こっちがちょっとって言いたいよ!今から緊張する場所に行くのに!そんな大事なこといわないでよ!あとで聞くから!言ってくるね!」
「あ、っ!」
私は一度浄化を抑えると、傑さんの大きな鳥の呪霊の背中に乗った。
「悟。あとで説教な。」
傑さんも私の後ろに乗ると、悟さんにびしっと指差した。
私と傑さんにも言われ、しょぼくれる悟さんに手を振り、私たちは空へと飛び立った。
■□■□■□■
「すごーい!鳥で空を飛んでるー!」
「…よかったのかい?」
私が落ちないように私を後ろから支えてくれてる傑さんは心配そうに声をかけてくれた。
「悟さんですか?うーん…まだ出会って数ヶ月しか経ってないし、まだ考えてないかな。」
「本当に?」
「……。いじわるだなー傑さん。」
悟さんは好きだ。
私だって彼との未来を描いたことはある。
「…ゆっくり考えたいんです。全部。」
真っ直ぐ蒼い空をみて、私はつぶやいた。
「全部?」
「うん。ーーー…全部。」