第15章 二人の未来
私が囮になる。と、悟さんに提案してから数日、悟さんは少し不機嫌なのか、考えこんでいるのか、あまり喋らなくなった。
「…怒ってる?」
「うん。」
高専の会議室で、悟さんだらしなく座っている横に私も座った。
このあと傑さんがくる予定だ。
なのにあまり話進んでいない。
「でも…私たちが一緒にいると敵は現れないんだよ。」
「わかってる。」
「いつまでも心臓が繋がってはいられないし。」
「わかってるっ。」
「悟。それはわかってるとは言えないよ。」
外まで聞こえたぞ。と、傑さんか部屋に入ってきた。
ドアを閉め、その扉にもたれて腕を組んだ傑さんは、悟さんを戒めるように見つめた。
「にあたるなよ。お前らしくない。」
「あたってねーよ。」
いつもより口調が悪い悟さんに、私はしつこく言いすぎたと反省した。
悟さんが私を心配してくれてることは、よくわかってる。
「悟、現実的に考えてさんを一人にして敵を誘き出すのは有効的だと思うよ。今は、敵が現れた時どうやってすぐに駆けつけられるか、守ることができるのかを考えるべきじゃないか?」
「だから考えてんだよ。瞬殺されたらどうしようかとか、条件付きの強化された帳でが閉じ込められたらどうしよかとか、を連れ空間を飛べるような術式を持っていたらどうしようかとか。」
「心配症だねぇ、悟は」
揶揄うように笑う傑さんの態度が気に食わなかったのか、悟さんは立ち上がり傑さんの前に立った。
「あ゛?」
「きみは最強、五条悟だろう。帳もなにもかも壊せるほどの実力をもつ男じゃないのか。それに私もいる。」
傑さんはずっと冷静で、悟さんの肩に手を置いた。
「も属性も関係なしに、一級2体を同時に領域ごと浄化するほどの実力になったんだろう?いいかい、悟。を信じるのも、愛だよ。」