第14章 二人はずっとずっと一緒
後ろの座席に悟さんと座っていると、左に座っていた悟さんが私の左手の小指を絡めるように握ってきた。
「…?」
伊地知さんに聞こえないように私を手招きして、私の耳に手を添え、コソッと話し出した。
「伊地知にバレないように、お互いの体に触れるゲームする?」
「しません。」
手をパッと離し、私は窓際にこれでもかってくらい寄った。
「冗談じゃん。やだな。」
とか言いながらも、悟さんは真ん中の席に座った。
ぎゅっと距離が縮んで私は、悟さんのお尻あたりを押した。
「…ね。呪霊のこと気にしてるでしょ。」
「……まったくしてないと言ったら嘘かな。でも、仕方ないとも思ってるし、これが、最善だったとも思ってる。」
伊地知さんに聞こえないようにぽそっと話した。
自分から浄化されにきて、最後は私たちのために動き、消えていった呪霊たち。
「その優しさはを苦しめるだろうね。」
「…うん。」
「でも、らしくて好きだよ。」
耳元で言われ、私は泣きそうになったけれど、近くの悟さんの裾をぎゅっと掴み耐えた。
「その優しさがあるから、呪霊たちはを頼るんだろうし、守りたいと思ってるんじゃない?浄化ができることもきっとそう。僕にはない気持ちだ。」
大切にしな。と、悟さんは私の頭にキスをした。
「…っ。」
伊地知さんの驚くような息遣いが聞こえ、私は悟さんをおもいっきり押した。
「あ、あとで!」
「え?あとでもしていいの?」
「ちがっ!後で話をしようってこと!もう!」
バックミラーで伊地知さんから見えないようにわたしは縮こまった。
「五条さん、お屋敷でいいですか?それとも高専に?」
「家帰るよ。の“後で♡”が気になるからさ。」
「悟さんっ!」
私は悟さんの膝をペシペシ叩いた。
「すみません!伊地知さん!全部この人の嘘です!妄想です!」
「あはは。」
「えー。嘘なのー?」