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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第14章 二人はずっとずっと一緒



悟さんが指を差し出し、何かを撃とうとすると、ぴーっと私の足元で鳴き声がした。

さっきの浄化した呪霊だ。


私の靴紐を掴んでいる。


「さ、悟さんっ。」


私は悟さんの裾を引っ張った。
浄化したのは呪いの思いだけで“ガワ”は残っていたようだ。


「ん?…あれ、いたの?」


私の靴紐を引っ張って何かをアピールしている。


すると、私の後ろの方に走っていった。


「…?」

私は悟さんと顔を合わせて首を傾げた。


何匹かが集まって壁に集まっている。
ここ!ここ!と何かいいたいようだ。



「…。あそこに矢をうってみてくれる?」
「え?」
「信じてみよう。が浄化した呪霊たちを。」



私は頷いて、目を閉じた。


さっきみたいに胸に光を集める感じで集中した。



「…ふぅ。」

一度深呼吸して、矢を放った。










■□■□■□■











「いやー、すごかったすごかった!」
「…。」

私たちは帰路についていた。


「領域も一級も何もかも消しちゃうなんてね。」
「……」

「あの小さな呪霊たちは弱点と、もう一体の隠れてる呪霊を教えてくれたんだね。」
「…うん。」


「気になる?」
「ううん。大丈夫。」

とぼとぼと歩きながら、教えてくれた呪霊たちのことを考えた。

あの小さな呪霊たちも一緒に私が消してしまった。

わかってはいてもなんだか切なかった。




「おかえりなさいませ、お二人とも。」

伊地知さんが車の外で出迎えてくれた。

「大丈夫でしたか?」
「うん、余裕だよ。僕の手にかかれば一発さ。帳、よろしくね。」
「はい、わかりました。ご苦労様でした。」



どうやら、私の件は報告しないようだ。
私にはそっちのほうが良かったから、悟さんの気遣いがありがたかった。



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