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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第14章 二人はずっとずっと一緒


私はどうやって浄化しようか考えた。

さっきみたいに矢を放てばここに穴を開けるほどの強いやつをやってしまう。
そうなると、きっと私の周りをちょろちょろしてる小さな呪霊は跡形もなく消え去るだろう。

私の近くで見てくる呪霊は、きっとーー…


「いきたいんだよね?」


私は膝をついて手を差し伸べた。



生きたいのではなく、空へ。


だから私の近くで遠巻きで見てくるんじゃないのか。
襲いもせず、近くでついてくるんじゃないのか。




私を隠してくれてた呪霊。
守ろうとしてくれてた呪霊。
指輪を託してくれた呪霊。
阿曽のおばちゃんの家にいた呪霊たち。



呪いから生まれたんだとしても、生まれた時に持っていたツライ思いを消し去りたいのだとしたらーー…



「楽になろう?おいで。」




私は浄化の光を手の周りに集めて、遠巻きに見てる呪霊たちに差し出した。


「へー。」


悟さんは後ろからただ見守ってくれていた。



ぴょこぴょこと歩いてくる呪霊たちは、私の目を見ると、私の手に触れるより前に消えていった。




「自分の意思でくるんだ。」
「呪いから生まれたんだとしても、誰かを呪いたいわけではないのかも。」






「呪霊への見方が変わってくる時代がくるかもな。」

「……。」






悟さんの言葉が私の胸にストンと落ちてくるようなそんな気がした。


悟さんは私の頭をポンっと撫でて微笑んだ。


「一級2体はこう簡単にはいかない。僕から離れないようにね。」
「うん。」


再び歩き出した悟さんの手をとって、私たちは進んだ。



しばらく歩くと悟さんが私から手を離し、後ろに隠した。


「同時にお出ましだ。」
「…どこ?」


「下。これ全部だ。」


ぬめっとした何かの体内みたいだと思ったけど、まさかこれ全部が呪霊なのだろうか。


悟さんの背中で私は足元を見た。

赤黒く本当に気持ちが悪い。






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