第2章 二人はずっと一緒
「さて。次の段階だ。」
夏油さんは立ち上がった。
「どのくらい二人が繋がってるのか調べた方いい。」
夏油さんの言葉に私と五条さんが顔を見合わせた。
すると五条さんは私の手をとった。
「それは僕も気になってた。」
そう言って五条さんは私の手の甲を見つめた。
昨日傷ついた手の甲。
そこには赤い線が残っていた。
「これ。残ってるね。」
それは当たり前だろう。
昨日ついたばかりだ。
すると五条さんも自分の手の甲を私に見せてきた。
「あれ?なんか少し違う?」
そこには傷はあるものの、先ほどできたような不思議な傷だった。
「一度治したからね。」
「…へ?」
治した?
「術式で治したんだよ。でもまた傷ができた。」
「……。」
術式がなんなのか全くわからないが、彼らのいう呪術師には可能なことなのだろう。
それに腕が取れて治るとかそんなことを言っていた気がする。
「ということは、悟が戦ってて負傷したとして、さんもこの家で同じように負傷したとする。」
「はい…。」
「すぐに悟を治療しても、こちらの家のさんは治らないって事だ。」
「そして、僕が戦いの最中に自分の怪我を治そうとしても、ちゃんの傷が治らない限り、また同じように怪我をするってことか…。」
「ずーーっと怪我も共有しちゃうってこと?」
「そう。」
五条さんが返事をすると、二人とも黙り込んでしまった。
「さんの横に治療できる術師を常備させるか…?」
「術師不足だよ。治療の出来る術師は貴重だ。さすがに難しい。それにあまりこのことを広げたくない。」
夏油さんの提案に五条さんは首を振った。
「最悪、ちゃんを諦めて僕だけって思ったけど、そうもいかなくなったな。」
「……。」
待て待て。いまさらっと酷いこと言っていたの聞き逃さなかったぞ、私は。
「じょーだんだよ!じょーだん!」
私がパチクリと瞬きをしていると、五条さんが明るくそう言った。