第2章 二人はずっと一緒
「ちゃん見えてたの?」
「はっきりとは見えなくて。ぼやーっとそこに何かあるのはわかります。」
「早く言ってよー!」
「だって、それが五条さんたちのいう呪い?とか呪霊とかってのは知らなかったんですもん。動物霊とかなのかなって思ってました。」
「いつから?」
「ものごころついた頃にはもう見えてました。」
「じゃあさ!じゃあさ!」
五条さんは前のめりで尋ねてきた。
「あの日!女性に話しかけられた日!何か見た?」
「女性の足元に何かちょろちょろしてるのはいましたよ?でもぼやっとだから色くらいしか…。」
「最初の手がかりだ。なんでもいい教えて?」
あの日確かに見た。
女性が昔飼っていた動物の霊なのかと思ったくらい、女性の足元にひっついていたから覚えてる。
「赤くてピンク…。」
「え?」
「なんか…こー…んな形?だったような。」
手で丸を作る私に、派手だねーと夏油さんが言った。
「顔っぽいところが赤くて体がピンクでした。変な色って思ったので覚えてます。顔の形が…ハート?かなー。」
「ハート……心臓か?」
夏油さんが言い、五条さんがそれだ。と指差した。
「きっとそいつだ。見た目がわかっただけでも大きいね。」
「形が変わらないといいが、探させるよ。」
見た目がハートなら珍しいから探しやすいかもしれない。
「私も探した方がいいですか?」
「いや、ちゃんは僕の弱点だからだーめ。」
「本当に何もしないでいいの?」
「いーの。」
「さんは巻き込まれただけだから気にしなくていいんだよ。」
夏油さんは優しく微笑んだ。
「五条悟は呪術界でなくてはならない存在なんだ。彼が死ぬと呪いが溢れたちまち人間界が滅びてしまうことになる。」
「人間界って…私たちが住んでるところってことですか?」
「そう。」
「…そんなに?」
「僕は強くてすごいって言ったでしょ?」
ふふんって子供のように胸を張る五条さんを見てもあまり実感が湧かない。
「だから、悟を守るためでもある。さんは私たちから離れないでね。」
「わかりました。」