第14章 二人はずっとずっと一緒
私は胸を押さえた。
でも何も変わらない。
光が止まらない。身体中が熱くてたまらない。
「…どうしよ。」
『意識しろ。小娘。』
頭の中に宿儺の低い声を思い出した。
ーー…意識。
「集中して、私。」
光を胸の中に入れていく感じを。
丸く丸くーー…一つにまとめていく感じを。
胸の中心だけが熱くなって、収まっていくのがわかって私は目を開けた。
「…。」
「はぁ…はぁ。」
息を止めていたようで、私は座り込み呼吸を取り戻した。
私は手につけていた指輪と、手のひらのネックレスを見つめた。
「それが、増幅させる石だったのか。」
悟さんが私の横に一緒に座り、手を覗き込んだ。
「…びっくりした。」
「大丈夫か?」
「うん。今は何ともない。」
悟さんは私の肩に手を添えベッドに座らせてくれた。
初めから持っていたんだ。
渡されていたんだ。
赤い小さな呪霊は、人を操って私と悟さんにネックレスが手に渡るようにしてくれていたんだ。
「ついになってるから二つ揃わないと力が発揮されなかったんだな。」
悟さんは私の手の中のネックレスに触れた。
「今はどんな感じ?」
私の頬に触れながら、悟さんが言った。
「うーん、あんまり変わらないかな。」
力がみなぎる!とか、そんな感じは全くしない。
私は自分の手をにぎにぎしてみた。
さっきまで熱かったからその余韻はあるけれど、それ以外本当に何も変わらなかった。
「増幅…うーん。」
悟さんは自分の顎をつかみ、口をムニっとさせながら考えていた。
「その増幅ってのは、範囲の話なのか、対象の話なのか。」
「…?」
「上級も浄化できるのか、それとも触れなくても浄化できるのか。」
「どうなんだろ。また実験する?」
「いや、はしばらく僕と行動してもらわなきゃだから、一緒に任務いこうか。」