第14章 二人はずっとずっと一緒
起きた格好のまま悟さんは、報告書を取り出し、何かを書き込み始めたので、私は邪魔しないよう、着替えをしようとした。
「ん…?」
ふと、悟さんの机が気になった。
私が机の前で立ち止まったのに気付いた悟さんが、顔を上げた。
「どうした?。」
「あ、いや…」
何だろう、この違和感。
その違和感の原因が知りたくて、私は悟さんの机の周りをうろうろした。
「その格好でうろうろされるとまたムラッとするんだけど。」
「うん。」
悟さんのシャツ一枚でうろうろしている。
でも違和感の方が気になって私は適当に返事をした。
「…気が散るんだけど。」
悟さんの後ろに回ってキョロキョロしてたら、ペン片手に悟さんが振り返った。
「うん。」
また適当に返事をして私はまたウロウロした。
「うーん?」
悟さんの足元にしゃがんで、机の下をのぞいた。
「だー!邪魔!なに!」
ビクッとして私は机の角に頭をぶつけてしまった。
「いたたた。」
「どうしたの!」
「んー、なんか…なんかある。」
「はぁ?」
「うーん、なんていっていったらいいかな。あ、阿曽のおばちゃんの家みたいな感じ。」
「わからん。」
「ぽかぽかする、ふわふわほわほわーって感じ。」
「わからん!太陽にあたってるからじゃないの?」
私は首を傾げた。
確かに今太陽が部屋に入ってる。
「うーん…なんて言っていいんだろ。あ、浄化されかかった呪霊の感じ?」
「…?」
悟さんはペンを置いて私を見上げた。
サングラスを置いて、自分の机を凝視し始めた。
「…何もないな。呪力じゃないのか?さすがにこの屋敷に呪霊は入ってこないと思うが、の浄化された呪霊ならわからないからな。」
あの3匹の消えた呪霊も私以外誰も気づかなかった。
私は目を閉じ集中してみた。
「気のせいじゃないか?」
「いや…一番上の引き出し。かな?」
「ここ?」
悟さんは自分の机の引き出しを開けた。
ペンなどの文房具が入ってる。