第12章 二人は
ぐっと押し付けられるように口付けられ、私は少しだけ後頭部をぶつけてしまったが、そんなことは気にもせず、深く舌を絡められた。
「ん…っぁ…」
「もっと…」
どんどん深くなっていくキスに、私は必死についていこうと舌を絡めた。
歯茎を舐められ、上顎を撫でられ、吸い上げられる。
「ふ…っ…はっ…」
だめ…追いつけない。
「もっと…」
ちゅ じゅ ぴちゃ
二人から出る水音がより私を高揚させた。
ーー…酸素っ
「はっ…はぁっ」
うっすらと目を開けると、ちょうど悟さんも目を開けて、至近距離で見る悟さんの瞳に私はより一層息が止まりそうになった。
ドクッと高鳴る心臓は悟さんのものだ。
ーー…悟さんもドキドキしてくれてる。
「…もっと。」
「んっ…も…ぅ…」
「まだもっと」
舌を甘噛みされ、私は震えた。
息は苦しいけど、足りない。
私ももっと欲しい。
立ってられないけど、離れたくない。
もっとひっつきたい。
ぎゅっと悟さんの着物を握りしめ、舌を悟さんと絡めあった。
飲み込みきれなかった、唾液が口の端から垂れてもまだ私たちは離れることはなかった。
「んっ……はっ……ぁ…」
最後ゆっくり離れると、悟さんが目元を拭ってくれた。
「泣いてる。」
心配そうな声で私の顔を覗き込んできたが、別に何かを思い出して今回のことで泣いてるわけじゃない。
「…好きすぎてーー…どうしたらいいかわからなくなって。」
拭ってくれた悟さんの指先に私は頬を寄せた。
「…やめてくれ。」
ドクッドクと私の胸が高鳴っている。
悟さんは手のひらで自分の顔を隠した。
「今日は抱かないと決めたんだ。鈍らせないでよ。」