第11章 二人の絆
私は宿儺に言われたことを頭の中で整理しながら話した。
「んー、思ったんだけど、呪いをかけてきた呪霊がすでに祓われてるのに、なんでまだ心臓は繋がったままなの?」
「そういう呪いもある。基本的には死んだら解呪できるものがほとんどだが、死んでから発動するものもあれば、強化されるものもある。縛りとかが関係してくるから、解呪は慎重にしないとな。まぁ、この呪いは“を特級から守る”ってことに特化した物だから、おそらくは特級を祓うか、の安全が確固たるものになった時解呪できるんじゃないかと思ってる。」
本当に私を守るためだけに、私と悟さんに呪いをかけたんだ…。
岡山行きの新幹線の中で、私は悟さんを巻き込んでしまったのではないかと、少しうつむいた。
いろんな人を巻き込んでる…。
「?」
私の様子に悟さんは頭を撫でてくれた。
「…両親をね、」
「うん。」
「殺したのは私を狙ってる特級なんだって。」
「…うん。」
撫でていた手に力が入り引き寄せられ、私は悟さんの肩におでこを押し付けた。
「仙台の祖母がバケモノに殺されたって言ってたのは本当だったんだ。」
「…。だけどーー…」
悟さんが言おうとしてることがわかって、私は彼の言葉を遮った。今は慰めの言葉は、より私をみじめにさせる。
「わかってる。悪いのは呪霊だ。でも、やっぱり私のせいで死んだって思っちゃうんだよ…。」
涙を堪えてそう言った。
「悟さん…。」
私は顔を上げ、しっかりと彼の目を見た。
「私を狙う特級を悟さんの手で祓ってほしい。」
弱音はその後で。
私の言葉に悟さんはにかっと明るく笑った。
「そこで泣き喚かれたらどうしようかと思ったよ。そんなかっこいいところも好きだよ。任せて。なんたって僕最強だからね。」