第10章 二人で仙台
指で掻き乱さられ、舌で舐め上げられる。
「あっ…」
気持ちとは裏腹に,身体が感じてしまうことが憎かった。
“全部好き”
“好きだよ。”
ーー…頭に巡る悟さんとの会話。
涙が止まらない。
裏切ってるわけじゃない。
感じてなんかやるもんか。
それでも、指は私の気持ちいいところをかすめ、身を震わせた。
ーー…集中しなければいい。彼に。
私は必死に別のことを考えようと努めた。
特級を浄化できない…
本当に…?
“意識しろ”
制御に意識が必要なら、浄化することも意識できるーー…
「…んっ……すく…な…」
指を私から抜き、その指にまとわりつく私の愛液を舐めとっている宿儺は、私を見下ろしていた。
『小僧、一丁前に反応しているな。まだまだガキのくせに。』
喉で笑う宿儺は、独り言のように言い、自分の股の部分に触れた。
ズボンの上からでもわかる膨張したそれに、私はゾッとした。
まさか、挿れたりはしないだろうか。
宿儺が欲しているのはあくまで私の血…体液なはずだ。
『時間が無いのが惜しい。』
私は戸惑った。
時間があれば、挿入までやったというのか。
私は上半身を起こし、後退った。
「…もぅ…いい?」
『酔いしれそうだ』
私は下着とズボンを引き寄せた。
『この味を求めて、お前だけを狙う特級がいる。食われるなよ。貴様を最後まで喰らい尽くすのは俺だ。』
私のおでこに爪をたて、宿儺が言った。
「私だけを狙う…?」
『貴様の周りに幼子のころからうろついていたが、雑魚どもが貴様の気配を隠していたんだろう。それをあの男が祓ったんだ。要らぬことを…』
「さっきも聞いたけど…私を守ろうとした呪霊は昔からずっといたの…?」
舌でペロっと自分の指や口を舐めながら、満足そうな表情の宿儺は淡々と続けた。
『浄化は消すだけじゃ無い。魂を浄化され、“ガワ”だけが残った呪霊が貴様の周りには溢れていたはずだ。負の感情が消えた…幽霊のような妖怪のようなものだ。』
何も見えてなかった私を小さい頃から守ってくれてた呪霊が、いたってことーー…?