第10章 二人で仙台
乱暴な舌つかい。
私の奥の唾液を舐めとるように、吸い付くように、食べられていくーー…
「…んっ……」
上を向くのも首が限界で、私は苦しくて宿儺の肩あたりの服を握りしめ合図を送った。
「はっ…はぁ…はぁ…っ」
『美味い。』
口を離すと前と同じように、光悦とした表情でぺろりと自分の唇を舐めている。
『小娘の力を増幅させる石がある。』
そういうと、宿儺は私の肩をまた押し、ベッドに倒した。
急に与えられた知識に私は聞き取ろうと彼を見つめた。
ギシッと音がして宿儺も膝からベッドにあがり、私の手首を強く掴んできた。
「…いし?」
『対となっているが、一つは阿曽に、一つは行方がわからぬ。』
手首を布団に押し付け、再び顎を指先で掴まれた。
少しずつ近づいてくる宿儺。
…目が離せない。
「それで浄化を制御も出来るの?」
『制御は意識の問題だ。貴様が意識しろ。』
止めたいと思えば止められるの…?
そうしたら、私を狙う呪霊からは隠れられる…ってこと…?
私が、考え込んでいると、そんなことは許さないとばかりに、また再び深く口付けられた。
「んっ…ちょっ…」
勝手に知識を与えてきて、勝手にキスをしていく宿儺。
私が慌てるのを面白がるように、笑いながら舌を絡め取っていく。
「…ふ……っ…はぁ…」
乱暴で、こっちのことなんて気にもしないキスが、段々と舌が柔らかく撫でていくのに私は戸惑った。
『貴様の心臓に呪いをかけた呪霊はもうおらぬ。』
「…?」
ちゅっと音を立てて、離れると宿儺が言った。
ーー…いない?
「ど…!どういうこと!?」
私が起き上がって聞こうとしたが、宿儺は許さなかった。
『対価が先だ。』
「…っ。」
何度も重ねられる口付けのせいで、酸素が回らなくなってきて頭がぼーっとしてきた。