第10章 二人で仙台
私は両手で自分の顔を守るようにしながら、首を振った。
「待って!対価がいるんでしょう!?私は別に今貴方から何か知りたいことはないよ!」
『その力を増幅させることができるといっても?」
私はピタリと止まった。
『さらには、浄化の力を抑え、触れても消せないよう制御もできることもか?』
「自分で…修行とかして…」
『無理だ。道具がいる。』
それが何か教えてやる。と、にんまり笑う宿儺の顔を見た。
キスで得られる知識ーー…
それをして怒ってた悟さん。
『何を考えてるか知らんが、貴様に交渉の余地があると思っているのか。」
「…っ。」
嘲笑うかのように言う、宿儺を私は睨んだ。
『わかっているだろ。』
「…きゃ!」
宿儺は私の左胸を鷲掴みしてきた。
『ここを潰せばどうなるか。』
ひゅっと息が止まるかと思った。
ここ…心臓を潰されたらーー…
「さと…るさん。」
“大きな傷でも自分の傷は治せる”確かに悟さんはそう言った。
でも、心臓も?
そんな即死のような状態でも自分で治せるの…?
わからないーーー…
わからないで賭けるよりキスくらいどうってことない。
『30分もあるんだ。じっくり楽しませてもらうぞ。。』
肩をトンっと押され、私はベッドに腰掛けさせられた。
「さ、先に色々教えてよっ!」
時間を稼げば、高専だもの誰か来るかもしれない。
座って私は、目の前に立っている宿儺を見上げた。
冷たい目で私を見下ろしている。
「睨んでもだめだよ。そ、それに…私の心臓傷つけて殺したら、もう暇つぶしできなくなるんでしょ?」
彼の目的はただの遊び。
宿儺は私の顎を掴むと、無理矢理私を上に向かせた。
『貴様の傷くらい簡単に治せる。それよりあれ以来だな。また味わせてもらうぞ。』
私の言葉なんて簡単にあしらうようにいい、親指で口を開かせると、舌をねじ込んできた。