第10章 二人で仙台
木目の床。
狭く小さなワンルーム。
壁にはグラビアのポスターが貼ってあった。
『来たな。小娘。』
ビクッとして後ろを振り返ると、そこには虎杖くんーー…いや、宿儺がいた。
「こ、ここ。なんで…?」
外の風景からするとおそらく高専だ。
私は一歩下がり、宿儺を見上げた。
『小娘、貴様が阿曽巫女について、何か知識を得たら、ここに来るよう仕掛けをしておいた。』
にやっと笑う顔は、まだ何かを企んでるような目をしていた。
「虎杖…くんは?」
前にそんなに変わることは出来ないと聞いた。
主導権はあくまで虎杖くんにあると。
私はまた一歩下がった。
『小僧は両脚が潰れてな。』
「えっ!?」
私は足元を見た。
普通に綺麗な足をしている。
『俺が治してやる代わりに30分ほど主導権をこちらに貰ったのだ。くく、そう仕組んだことも知らず。』
宿儺は大股で私に近付いた。
「…っ!」
私がまた一歩下がると、ベッドに足がぶつかってしまった。
『暇つぶしをするぞ、小娘。』
そう言って、宿儺はに手を伸ばした。